By: Fabio Sola Penna
USPはマーケティングの世界で、よく使われる言葉です。
最近は、一般的にも知られるようになりましたので、ご存知の方もいらっしゃるでしょう。
しかし、まだ詳しく知らないという方のために、紹介したいと思います。
目次
USPとは?
USPとは【unique selling proposition】の略です。
これを直訳すると、
Uniqueは、『独自の』
Sellingは、『販売における』
Propositionは、『提案』
です。
これをわかりやすい表現にすると、USPとは
『自分だけができる販売上の提案』
です。
ポイントとしては、
ということです。
『強み』や『差別化』との違い
『会社独自の強み』や『差別化』と一緒にされることがありますが、厳密には少し違います。
なぜなら『会社独自の強み』は自分たちがそう思っているというものも含まれるので、ベクトルが逆です。
USPは、あくまでお客さんにとってのベネフィットです。
また、『差別化』に関しては、USPの一面しか表していませんね。
やってしまいがちな誤り
やってしまいがちなのが、『うちの商品は品質が最も優れています』というものです。
これはお客さんに、あまり響きません。
なぜなら、他社も同じことを謳っているからです。
「ああ、よそでも言ってるよね」
と心の中で思われて、気にも留められないということになりかねません。
USPを明確にすることで得られるもの
USPを明確にすれば、商品・サービスの価値が伝わりやすくなります。
特徴や競合との違いを明らかにしたものを短くまとめたメッセージですから当然ですね。
この結果、得られるものは大きく分けて3つあります。
価値が伝わりやすいので、広告や営業がやりやすくなる
自社のUSPが簡潔にまとまっていれば、一言でお客さんの心をつかむことができます。
営業がやりやすくなりますね。
また、広告に関しても、それをそのまま使えばいいのでいちいちキャッチコピーを考える必要がなく、大変楽です。
他にも、USPは様々な場面で使えます。
商品・サービスのパンフレットや販促物、会社の名刺に印字してもいいかもしれません。
価値が伝わりやすいので、リピーターが増える
USPを訴えるということは、自社の商品・サービスの価値を伝えることにもつながります。
『価値を伝える』ということは過去の記事においても何度も言及していますが、競合との差別化が図れます。
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差別化ができることで、リピーターを獲得しやすくなります。
その商品・サービスでしか得られない効果があれば、消費者は何度も繰り返し購入してくれるはずです。
価値が伝わりやすいので、価格を上げやすい
また、価格を上げやすくなります。
値上げには心理的抵抗があると思います。
しかし、商品の価値、独自性が伝わっていれば、値上げしても消費者が大幅に減るということはないはずです。
もちろんですが、ただ価格を上げればいいということではありません。
しっかり市場調査をしてからにしてくださいね。
USPの見つけ方
市場調査して、お客さんが業界に対して普段から思っている(潜在的な)不満がないか探ってください。
そして、その不満を解消するUSPを、自社の商品で作れないかということを考えてみてください。
余談ですが、昨年の12月に話題になったamazonの『お坊さん便』が正にこれではないかと思います。
私は仏教界のしきたりについて詳しくはないので、お金の多寡で何がどう変わるのか知りません。
また、世の中の全てのものをサービス化していいのかという議論もあります。
しかし、不透明な料金体系に不満を持っている人が多かったので、あれだけ反響があったのではないかと考えています。
(普段、お寺と付き合いがないのでどこに頼めばいいかわからないという理由もあるそうですが)
USPを作る際のチェックポイント
できれば、下記のチェックポイントを全て満たしてください。
・(USPが)お客さんにとってのベネフィット(利益)になるか
・競合が真似できない、真似しないものか
・打ち出すベネフィットは断れないほど強力なものか
・キャッチコピーやスローガンのように、短くわかりやすいものか
USPの事例
よく知られているのは、ドミノピザの例です。
どこかで一度は聞いたことがあると思いますが、以下のスローガンです。
『You get fresh, hot pizza delivered to your door in 30 minutes or less ― or it’s free!』
あつあつでジューシーな美味しいピザを30分以内にお届けできなければ、代金はいただきません。
実はこれを打ち出した当時、既に30分以内にピザを届けているお店があったそうです。
しかし、明確にそれを謳ったのはドミノピザが初めてだったようで、このおかげでピザ宅配の業界でトップに上りつめました。
これは元々、ピザの宅配に不満(到着したときには既にピザが冷えている)を持っているお客さんが多かったから大きな反響を呼んだということです。
まとめ
しっかりとしたUSPを築き上げることができたら、これに勝るものはありません。
宣伝しやすいですし、お客さんはその魅力に抗うことはできないわけですから、うまくやればオンリーワンの存在になれます。
あなたのお店でも、それが作れないかチェックポイントと見比べながら探してみてください。
役に立ったとき、気が向いたときに是非シェアしてください。
よろしくお願いします。
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