いつも理論や概念的なことばかりですので、今回は少し視点を変えて、お話ししたいと思います。
同じようなお店を経営されている方のヒントになれば、と思います。
ある居酒屋のお話です。
私が以前から懇意にさせてもらっている飲食店(居酒屋)のオーナー兼店主がいます。
彼は有名店で修業したわけでもなく、他では食べられないような特別おいしい料理が出せるわけでもありません。
(美味しくないとは言っていません。見ていたらすみません、笑)
ですが、そのお店は繁盛していますし、もうその状態が十年以上続いています。
そんな彼のお店に通っていて気づいたこと、それから実際にオーナーから聞いたことを挙げます。
また、私の考えも解説として併記しています。
具体的すぎてオペレーションの話になっている部分もありますので、あらかじめご了承ください。
常連客が多い
私が見ていて気づいたことは、まず第一にリピーターさんが多いということです。
以前、この記事で、既存顧客にリピートしてもらうことが、売り上げアップの簡単な方法だと紹介したことがあります。
この記事に書いていることを見事に具現化しているわけですね。
私が質問すると、オーナーはこれに関して、概略以下のようなことを答えてくれました。
「基本的に、どのお客さんにも接し方は同じ。積極的にコミュニケーションをとっている。
そういう接し方が嫌だというお客さんは、もう来てくれないかもしれないけど、
『楽しかった。また来たい』とか、『今度、友達もつれてくる』って言ってくれる人もいるから。
それで、実際に来てくれるからありがたいよね。
ほんと、俺はお客さんたちに支えられてるんだなって思うし、そう思ったら、もっとサービスしたいって思えるようになる」
実際はもっと長かったのですが、私が覚えているのはこんな感じでした。
傍から見ると、とても良い循環ができあがっているように見えますね。
これを少し解説すると、ペルソナほどではありませんが、お客さんにしたい人たちをある程度、絞っていると言えますね。
居酒屋ですと、こういう切り口もアリだな、と素直に感心しました。
ペルソナについてはこちらをご覧ください。
こちらも参考になります。
店に入りやすい
第二に、店に入りやすいことです。
ドアに『居酒屋です。どなた様もお気軽にどうぞ!!』、
ドアノブの近くに『手動! それなりの力で引いてください!』と書いた二つの貼り紙を貼っています。
これを解説すると、『お気軽にどうぞ!!』というのは、もてなしてくれそうな雰囲気が出ますね。
特に『!!』の部分に勢いがあって良いと個人的には思います。
初めてのお客さんですと、「自分が入っていいのか、場違いではないだろうか」と心理的抵抗を感じる人もいます。
それを取り払う効果がありますね。
また、自動なのか手動なのか、手動だとしたら押すのか引くのかがわかるだけでも、お客さんが迷うことがなくなります。
こういう細かい気遣いができているところがいいんだと思います。
ちなみに、『それなりの力で』というのは、ドアが少し重たいんですね。(笑)
このお店だけでなく、ビル全体がそうらしいです。
スタッフさんの接客
第三に、スタッフさんの接客が素晴らしいことです。
丁寧なのは言うまでもありませんが、それ以上の働きを目撃しました。
あるとき、お店の女性スタッフが
「今からだし巻き卵作りま~す。3皿限定ですけど、食べたい人~?」
と店内のお客さんたちに呼びかけました。
「○○ちゃんが作るん?」
とお客さんが質問すると、
「私が作ります」
と女性スタッフが元気に応えました。
「じゃあ、頼むわ」
「こっちも」
「こっちもちょうだい」
と、あっさり売り切れました。
お店側から提案できれば、売り切りたいメニューを売ることができて、やりやすいですよね。
もっとも、常連さんが多いですし、和気あいあいとしたお店ですから、許されることかもしれません。
とはいえ、そこまでの雰囲気づくりができない場合でも、やりようはあります。
それは、注文をとるときに、一言つけ加えるというやり方です。
「今日は『特製チーズオムレツ』がオススメです」とか、
「良いサバが入ったので、〆サバなんかいかがですか」
みたいな感じですね。
このやり方ですと、断られても別になんてことはありませんし、一定の確率でお客さんは注文してくれるはずです。
スタッフへの目標設定の落とし込みと労い
これは気づいたことというより、オーナーに聞いたことです。
オーナーはお店を開ける前に、
「今日は絶対に○万円、売り上げたいと思っているから、協力して」
と声をかけるそうです。
また、開店した後でも、
「これを売り切れば目標達成だから、お願い」
みたいなことをスタッフさんに言うことがあるそうです。
で、目標達成したら、「ナイス」とか「ありがとう」、「助かるわ~」のようにねぎらいの言葉をかけるんだそうです。
これって、スタッフさんからしたら、売り上げに貢献している、頼りにされているという気持ちが強まりますよね。
で、それがモチベーションにもつながるし、だからこそ前項で紹介したようにお客さんたちに声をかけることもできます。
他にも理由はあるんでしょうが、アルバイトの人でも、一度勤めると長くいてくれるんだそうです。
ちなみに、アルバイトの時給はごく平均的な金額です。
私たちもそうですが、働く理由って決してお金だけじゃないということがよくわかりますね。
参考:
まとめ
今回は、いつもより具体的な話をし、それについて解説してみました。
どのお店にも使えるというわけではありませんが、何かしらのヒントにしていただけると幸いです。
実は、他にもこのお店で気づいたことはあったんですが、パっと思い出したことだけ書いてみました。
また機会を見て、紹介したいと思います。
役に立ったとき、気が向いたときに是非シェアしてください。
よろしくお願いします。
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